能楽鑑賞などなどの記録。  
<< 国立能楽堂12月公演 定例公演 | TOP | 非常に形而上的な問題というか、主客二元論というか >>
新作能 マクベス
MOA美術館に来たよ!

ミニ講座
「新作能マクベスについて」
     泉紀子     
     辰巳満次郎

マクベス
脚本・詞章 泉紀子
演出・節付 辰巳満次郎
間狂言監修 野村萬斎

シテ 辰巳満次郎
ワキ 宝生欣哉
アイ 石田幸雄
   高野和憲

大鼓 柿原弘和
小鼓 大倉源次郎
笛  竹市学
太鼓 観世元伯

地頭 金井雄資


というわけで、熱海に行ってましたヨーン!

マクベス、すごーく面白かったです♪

どきどき♪

ヒジョーに手際よく、鮮やかにまとめられていて、室町時代の能作者たちが源氏物語や平家物語を元ネタにお能を作りまくっていた頃も、こんな感じだったのだろうなと思わせました。

ミニ講座で辰巳満次郎も「能にないことはしてません!」ときっぱり言っていたのですが(彼は元々は新作能嫌いだったのだとか。本人談)、でも、ここまで定石通りに作らなくてもいいのになぁ〜・・・という気も、ちょっとしたのでした(笑)。
やはり作者が「作家」ではなく、「学者」だからかもしれません。
梅若六郎みたいな、あんまりハチャメチャ(笑)なのも困っちゃうけど。
(←ワガママなクリコ。)

ナルホド、「マクベス」を能にするならこれしかないっ!という感じなのですが、マクベスが死後、修羅道に堕ちていて、幽霊となって現れるという設定でした。
旅のワキ僧登場→不思議な老人と出会う→老人、昔語りをして、俺実は・・と言って消える→(中入り)→アイ登場→後シテ・マクベス登場→舞働き等して退場、という段取り。
勿論、ここまでテキパキとまとめるのは、大変だっただろうけど。
最後に、ワキに「俺のこと弔ってね!」と頼まなかったのは、やっぱりマクベスはクリスチャンだった?から?でしょうか。

わくわく♪

アイ狂言の部分には、唯一?創造的な飛躍を感じました。
(野村萬斎『監修』かよ!と思わずツッコミをいれたくなるところですが。)
「異形の者」の独白と、マクベス夫人の地獄での有り様が表現されていて、シリアスからコメディまでバラエティ豊かに対応できるのが、やはり狂言の強みかも。
異形の者の石田幸雄は、老女??の面をつけ、妖精のような、老婆とも老人ともとれない作者の意図通りの「性別を超越した」姿。しかも、幸雄だから「性別を超越している」、と感じさせるさすがの演技力でした♪
(↑「マクベス」の、三人の魔女を一人で表していたのだとか。)
マクベス夫人役の高野和憲は、シテ方の「生成」の面をつけ、装束も赤い摺箔に丸尽しの縫箔を腰巻にして、要するに「鉄輪」の後シテの格好といえば分かりやすいかも。そいで、狂言の女性の型で演技をしているのです。ね?面白そうでしょ?
シテの面と装束で演技するなんて、和憲はどんな気持ちがしたでしょうね?
(あ、あとビーズ刺繍で作ったとかいう、重そうな小袖を担いで登場してました。どれくらい重そうかというと、舞台の上に小袖を落としたときに、かしゃっ!と音がしたくらい。)

後シテは、やはり見せ場のダンカン殺害の有り様から戦場での活躍まで、殺したり戦ったりの大活躍で、黒頭をなびかせるようにして、さーっと早足で舞台から橋掛かりまで動いていく姿が印象的でした。
蝋燭能でシテの『あやかし』の面(←ミニ講座でそう言ってた)も凄みを増して、装束の金箔が炎に映えてとても綺麗。

源次郎も弘和もカッコよかったです♪
やや音響過多なMOA美術館の能楽堂に、鼓の音がとってもよく響いてました。
さすがに源次郎は、ちょっとカロリー控え目??だったかな??

ちなみに、今日のこちらの公演は16時ぐらいに終わったのだけど、この後源次郎は、大阪の大槻能楽堂に移動して「道成寺」らしいです。
急遽決まった追加公演とはいえ、新作能の後に道成寺なんて、感心といえば感心だけど、滅茶苦茶といえば滅茶苦茶である。また『秘技!休憩時間30分攻撃』かしら?などとニヤニヤ笑・・・あ、いえ、うっとりと橋掛かりを戻っていく姿を見送るクリコなのであった。(←余計なお世話。)
posted by kuriko | 21:38 | 能・狂言 | comments(10) | trackbacks(1) |
コメント
クリコさんがお見送りになった源次郎さんを大阪でお出迎えしました(笑)
こちらでもとってもカッコよかったです♪
クリコさん、先月の本公演をご覧になっていたんですよね、ビックリです。
私も一度遠征してみたいなぁと思っています。行き先はもちろん観世能楽堂で、清和さんのシテですよ!
2006/12/09 23:57 by うめ
うめさん♪

あらステキ、こういうのって!
休憩時間が、異常に長くなかったですか(笑)?

私は前回の公演観ました!
感想は本文のエントリーの通りなのですが・・・。

実はクリコ、『お能のためだけに』遠征はしない、なんちゃって遠征主義者です。いつも別件と抱き合わせです。

でも芳宏が「やえもん」になる前に、九州での三兄弟共演とか観に行けばよかたなぁ〜、とちょっと残念に思っています。

松涛は清和のホームグラウンドですからね!
是非一度いらしてください!
2006/12/10 11:11 by クリコ
休憩時間は、普通でした(笑)
でも源次郎さんが橋掛かりに現れるまで、本当に来られるの
だろうかとちょっとハラハラしていたのですが。

芳宏さんは仕舞しか拝見したことがありませんが、とても
カッコよくてステキでした。
九州でそんな魅力的な公演があったんですね〜
これまでの三兄弟としての公演がなくなるのはさびしいような
気もしますが、芳宏さんもやえもんさんになったら今までとは
また違う活躍の場ができそうですね。
2006/12/10 22:07 by うめ
こんばんは!
翌日、「マクベス夫人」と源次郎さんを観世能楽堂で拝見しました♪
高野さんは『玉鬘』のアイ語り(かっこよかったです)、源次郎さんは『一角仙人』(お疲れ気味のお顔でしたが、もちろん音は良かったです)でした。
そして、彌右衛門さんの襲名披露公演のチケット買ってしまいました。清和さんの『安宅』を見るなら今決断しないと完売するかも?と思いまして。
ところで、山階敬子さんが名乗る「山階弥次」は、やっぱり「やじ」と読むのでしょうか?
2006/12/10 23:55 by もとこ
うめさん♪

>休憩時間は、普通でした(笑)

それはある意味スゴイですね(笑)!
無事に始まって何よりです。

>芳宏さんもやえもんさんになったら

そうなんですよね、私もそういう意味では、いいんじゃないかな〜と。
芳宏には、清和とはまた違った魅力があるのではないかと思うのですが。
山階家も観世宗家からご養子を迎えられるなんて、最高の(かどうか知りませんが)栄誉ではないでしょうか(よく分かりませんが)。
2006/12/11 05:15 by クリコ
もとこさん♪

ひょ〜!みんな、がんばりやさんですね!!

>清和さんの『安宅』を見るなら今決断しないと
>完売するかも?と思いまして。

ご英断です!私も見所のはしっこから観てます(笑)。

>「やじ」と読むのでしょうか?

たぶん、違うと思いますケド・・・(笑)。


ワケあって徹夜中のクリコより。
まだお外はまっくら・・・。
2006/12/11 05:20 by クリコ
みなさん見事な連携プレー♪♪

東京では喜多六平太記念能楽堂しか行ったがありません。やっぱり総本山には一度遠征しとくべきですね。
クリコさんおすすめのお店とか近くにありましたら教えて下さい。
2006/12/11 13:27 by がらんす
がらんすさん♪

ね〜!ふふふ、まさかココまで観られているとは思うまい!(←誰?)という感じですよね♪

松涛の能楽堂は、実は建物のグレードとしては、新しくできた千駄ヶ谷や名古屋のほうがずっと高いのですが、立地が抜群です!もちろん、もれなく(?)清和のオマケつき♪

でも渋谷って、色々ありすぎてココ!というお店はあんまりないかも??

クリコのお気に入りは、乙女チック路線なら
Au Temps Jadis(オ・タン・ジャディス)
http://www.many.co.jp/jadis/

雰囲気&ゴージャス系なら、セルリアンタワーとか??

(↑週末はどちらも激コミです。そして能楽堂からはちょと遠いかな?)

文化村のドゥ・マゴも、なんだかんだ言ってよく行ってます。近いので。
(↑でも、そんなにおいしくないかも・・・。)

(あと、松涛の能楽堂の近くには超高級フレンチの『シェ・まつお』があります。庶民のクリコにはカンケーないですが・・・。)

2006/12/11 21:46 by くりこ
こんばんは。

>『お能のためだけに』遠征はしない、なんちゃって遠征主義者

わたしも、これだけは心がけています。
これを自分に許してしまうと、廃人になりそうで…(^_^;)

新作能「マクベス」、3月に大阪で拝見しました(鼓は源次郎さんではありませんでしたが)。
わたしも新作能にはあまり期待しなかったのですが、あまりにマッチしているので驚きました。「紅天女」とは雲泥の差でしたね。。。
2006/12/17 02:09 by 月扇堂
月扇堂さん♪

そ〜なんですよね。本当は九州でもParisでも、おっかけ旅行をしたいところですが‥‥。(←廃人寸前のクリ子)

『紅天女』と『マクベス』では、志向するものが正反対でしたね。
でもあんまり「これは普及用ですから!」「これは簡単ですから!」みたいなのでは、目の肥えた?今ドキのお客サマにはどうかな‥という気もしますね。
2006/12/17 22:27 by くりこ
コメントする










この記事のトラックバックURL
http://kuriko.jugem.cc/trackback/452
トラックバック
2006/12/10 15:17
お能のチケットが余ってしまい、困っています。 ご希望の方がおられたら、半額以下でお譲りしたいと思います。 ご希望の方には、粗筋や詞章(のコピー)をお付けします。 ****************  2006年12月20日(水) 【研究会】17:30〜 観世能楽
茶書の森への旅
Search this site