松木千俊独立二十周年記念 第21回 檀の会
2008.01.27 Sunday
仕舞
高砂 武田友志
笹之段 小川明宏
船弁慶 佐川勝貴
屋島 弓流 奈須与市語
シテ 松木千俊
ツレ 武田文志
ワキ 殿田謙吉
アイ 野村萬斎
大鼓 亀井忠雄
小鼓 曽和正博
笛 一噌仙幸
地頭 武田志房
狂言
文荷
シテ 野村万作
アド 高野和憲
野村万之介
仕舞
白楽天 武田宗和
梅 武田志房
国栖 小川博久
舎利
シテ 松木崇俊
ツレ 関根祥丸
ワキ 大日方寛
アイ 竹山悠樹
大鼓 柿原弘和
小鼓 森澤勇司
笛 一噌隆之
太鼓 大川典良
地頭 関根祥人
怒涛の連続鑑賞Daysも、今日でお仕舞い。
見所は盛況でした。
今回、「弓流」つきの屋島を演じるのは、亡父の独立二十周年の際と同じに・・・、と「御挨拶」に書いてありました。でもシテ方の小書として、「弓流」だけが単独でつくというのは、結構珍しいんじゃないかな?たぶん、クリコは初めて観る(と思う)。
「奈須与市語」は、野村萬斎の話芸をお楽しみください!といった感じで、とっても素晴らしかったです!役柄の入れ替わりも鮮やかで、立て膝移動の「お馬さん」もキマってました。あの『タメ』と、エッジが利いているところが萬斎さま流。
そしてなーるほどねー!と思ったのは、「素働」が無くて「弓流」だけだと、後場で義経が弓に見たててぽとり。と落とした扇を、わりとすぐに拾ってしまうのである。
あの波に揉まれながら、ぐるぐるーっと舞台を回って、こんなに頑張って弓を取り戻しました!というのがナイ。(←謡は同じだけど。)
正博も、床几と葛桶をシテと交換して座っていたのだけれど、ウデの見せ所が、いえ聴かせ所が半分に、という感じ。(←勿論、ほかに充分あるのだけど。)
でも先週の宗和のときとは、また違った趣があって面白かったです。
囃子方も素晴らしかった。
文荷は、万作・万之介が太郎冠者・次郎冠者で、困った悪戯おじいちゃんたち、といった雰囲気で、とても面白かったです。
そーいえば、今日の屋島の後見は、野村四郎と宗和で、狂言座の萬斎さまと後見座の四郎が二人並んでいる、というシーンがあったのだけど、全然似てないですな。だから何だって、それだけだけど。
「叔父上!萬斎でございます!」とか言うのかな。
(←言わないだろう。『鞍馬天狗』ネタです。すみません・・・。)
舎利。
こちらもすごーく面白かったです!
崇俊くんは、去年のこの会で初面を拝見したのだけど、進境著しくて、彼なりにとっても頑張っていました。
仏舎利を盗んで舎利殿キック!が、ちょっぴし不発っぽかったケド・・・。
そして韋駄天役の祥丸くんが、凛々しい!(←祥丸ファン。)
足疾鬼も韋駄天も、光速より?足が速いので、三間四方の宇宙をくるくる、くるくる、縦横無尽に駆け巡っていました!きゃ〜っ♪祥丸く〜ん!(←・・・。)
もちろん、韋駄天が足疾鬼をとっ捕まえてボコボコに!?やっつけ、舎利を取り返します。
地頭の責任を、十二分に意識した祥人のリードも素晴らしく、地謡も若き主役二名を盛り立てて炸裂していました。
もちろん囃子方も炸裂で、弘和がカッコよかったです♪
爽快感のある切能が終って、附祝言の後に見所がわーっ!と拍手する一体感のあるあの瞬間が、クリコはわりと好きである。今回の拍手は、熱かったです。
もちろん、拍手の無いほうがいい、と思う時もあるケド。