第八十五回 粟谷能の会
2009.03.01 Sunday
安宅 延年之舞 貝立
シテ 粟谷明生
ツレ 狩野了一
内田成信
佐々木多門
大島輝久
塩津圭介
佐藤寛泰
友枝雄人
子方 友枝雄太郎
ワキ 森常好
アイ 野村萬斎
深田博治
大鼓 柿原弘和
小鼓 鵜澤洋太郎
笛 松田弘之
地頭 出雲康雅
狂言
横座
シテ 野村万作
アド 野村万之介
高野和憲
殺生石 女体
シテ 粟谷能夫
ワキ 宝生欣哉
アイ 石田幸雄
大鼓 佃良勝
小鼓 観世新九郎
笛 一噌隆之
太鼓 助川治
地頭 友枝昭世
どびょびょびょ〜ん。反省。。。
いきなり言い訳から始まるのですが、本日は寝不足だったところに、おクスリ(←クシャミ止め)を飲みまして、そうしたらですね、たちまちすぅーっと眠くなってしまいまして・・・。と、まるでどこかの誰かの言い訳みたいですが、今日は眠ってしまったところも多々あり・・。あっくんのおシテを拝見するのは、久しぶりだったのでかなり楽しみにしていたのですが・・。
かなりションボリな展開だったのでした(注:クリコのみ)。
ちなみに、今日も盛会でした。
で、安宅。
喜多流の安宅は、ほとんど観たことがない。
何年か前に友枝昭世の安宅を観たとき、観世流よりもケレン味?みたいなものが、少ないように思った気がする。でも今回は、かなりドラマチックに盛り上がっていたような気がします!(←寝てたくせに・・・。)
ツネツネもちょ〜気合入って、迫力の富樫。
あっくんの弁慶も、非常に重厚な雰囲気。しかもキモの座ったいいお声。
あっくんとツネツネ、ど根性のぶつかり合いです!(そんなときに、クリコはぐぅぐぅ。。。)
勧進帳を読み上げるところも、あっくんの美声にツネツネ富樫も、不信とトキメキ(←意味不明)で、ああ、そんな、どうしよう。といった面持ち。
やっぱりダメだ、闘うしかない!と進み出る若手たちを、待て待て!どうどう!と引き止めるあっくん。
(ここでも、押し出されてずるずる、と滑って行ったりはしないのです。)
あ〜ん!もういいや!とツネ富樫も山伏たちを通すのですが、さぁ強力に変装した義経も関を通過というときに・・・、なんと、義経の笠がぱらりと取れて落ちた。そりゃ〜、気がつかれちゃうよ〜!
後見が慌てて、再度着け直したのだけど、なんとまた落ちる。(・・・これは失敗ですな・・。)
このアクシデントのおかげで、クリコもはっ。と目が醒めたのだけど、勿論そこは無視して(笑)、富樫が、オマエ怪しいな!みたいなことを言う。
雄太郎くんも非常に落ち着いていて(←さすがベテラン?子方。)、笠を後見がまた着け直し、無事に弁慶が義経の頭をベシベシ!と打って、難関を突破です。
みんなでほっとしていると、ツネ富樫が、さっきはゴメン。。みたいな感じで追いかけてくる。最初は強力役の萬斎さまが応対するのだけど、弁慶と言葉を交わすとき、富樫は橋掛りにいて、弁慶は舞台の上に居る。
富樫は弁慶に随分と同情しているみたいなのだけど、この距離感が、二人の立場の違いをはっきり表していて、良いシーンだなぁと思った。
そして酒宴となって、あっくんの男舞は、なんだかすごかったです!
あっくんが試みたとかいう新演出は、実はよくわかっていないのですが(苦笑)、なんだかちょっと、モダーンな感じがしましたですお。喜多流では、延年之舞で、「えい!」と叫んで跳ぶのは一度だけみたい。
富樫に対していわばお礼として舞うわけだけど、富樫のほうには向っていかない。
この場では、富樫の動向が未だに彼らの命運を握っていることに変わりはなく、必死のジェスチャーである。
「オレはこんなに、こーんなに本気なの!別に死んでもいいの!でも今は駄目なの!だから止めないで!」
と言うかのようでした。舞というのは、言葉になる前の「志」だと何かの本で読んだことがある。弁慶の胸には、希望というようなものはなく、ただひたすら心意気、それだけ。
富樫も、嵐のように訪れて、風のように去っていく彼らを、一生忘れなかったに違いない。
最後に、明生弁慶が、萬斎さまにも早く行け!というように、びしっ!と扇を指す。ここの動きの鋭さも、最後まで気を抜かない感じがしてよかったです。
殺生石。
前場でもシテが舞ってましたが、こちらもかなり沈没していたクリコ・・・。すみません。
石がパカリと割れるところで、はっと目が覚め、後シテの凄まじい姿にいきなり度肝を抜かれました。
白頭・泥眼とかの綺麗め(笑)女体なのかと思ったら、ぼさぼさの黒頭に、赤い、なんの面だろう、白鉢巻でよくわからなかったけど(苦笑)すごく怖いカオで、楽器づくしの舞衣に、緋長袴。天冠の上に乗ってるのは、狐の九尾の尻尾だけ??
そんな姿で、犬に追いかけられたり、矢で射られたりの激しいアクションで、ビビったです。いや、もう、かつては宮中に居たということを匂わせつつ、それでいて、もう獣にしか観えない恐ろしさ。長袴で、キックとかしちゃうのです。
なんだか途中ですが、終わります。。。
喜多流の重厚な地謡を枕に眠るのは、すごーく気持ちよかったです。。。
シテ 粟谷明生
ツレ 狩野了一
内田成信
佐々木多門
大島輝久
塩津圭介
佐藤寛泰
友枝雄人
子方 友枝雄太郎
ワキ 森常好
アイ 野村萬斎
深田博治
大鼓 柿原弘和
小鼓 鵜澤洋太郎
笛 松田弘之
地頭 出雲康雅
狂言
横座
シテ 野村万作
アド 野村万之介
高野和憲
殺生石 女体
シテ 粟谷能夫
ワキ 宝生欣哉
アイ 石田幸雄
大鼓 佃良勝
小鼓 観世新九郎
笛 一噌隆之
太鼓 助川治
地頭 友枝昭世
どびょびょびょ〜ん。反省。。。
いきなり言い訳から始まるのですが、本日は寝不足だったところに、おクスリ(←クシャミ止め)を飲みまして、そうしたらですね、たちまちすぅーっと眠くなってしまいまして・・・。と、まるでどこかの誰かの言い訳みたいですが、今日は眠ってしまったところも多々あり・・。あっくんのおシテを拝見するのは、久しぶりだったのでかなり楽しみにしていたのですが・・。
かなりションボリな展開だったのでした(注:クリコのみ)。
ちなみに、今日も盛会でした。
で、安宅。
喜多流の安宅は、ほとんど観たことがない。
何年か前に友枝昭世の安宅を観たとき、観世流よりもケレン味?みたいなものが、少ないように思った気がする。でも今回は、かなりドラマチックに盛り上がっていたような気がします!(←寝てたくせに・・・。)
ツネツネもちょ〜気合入って、迫力の富樫。
あっくんの弁慶も、非常に重厚な雰囲気。しかもキモの座ったいいお声。
あっくんとツネツネ、ど根性のぶつかり合いです!(そんなときに、クリコはぐぅぐぅ。。。)
勧進帳を読み上げるところも、あっくんの美声にツネツネ富樫も、不信とトキメキ(←意味不明)で、ああ、そんな、どうしよう。といった面持ち。
やっぱりダメだ、闘うしかない!と進み出る若手たちを、待て待て!どうどう!と引き止めるあっくん。
(ここでも、押し出されてずるずる、と滑って行ったりはしないのです。)
あ〜ん!もういいや!とツネ富樫も山伏たちを通すのですが、さぁ強力に変装した義経も関を通過というときに・・・、なんと、義経の笠がぱらりと取れて落ちた。そりゃ〜、気がつかれちゃうよ〜!
後見が慌てて、再度着け直したのだけど、なんとまた落ちる。(・・・これは失敗ですな・・。)
このアクシデントのおかげで、クリコもはっ。と目が醒めたのだけど、勿論そこは無視して(笑)、富樫が、オマエ怪しいな!みたいなことを言う。
雄太郎くんも非常に落ち着いていて(←さすがベテラン?子方。)、笠を後見がまた着け直し、無事に弁慶が義経の頭をベシベシ!と打って、難関を突破です。
みんなでほっとしていると、ツネ富樫が、さっきはゴメン。。みたいな感じで追いかけてくる。最初は強力役の萬斎さまが応対するのだけど、弁慶と言葉を交わすとき、富樫は橋掛りにいて、弁慶は舞台の上に居る。
富樫は弁慶に随分と同情しているみたいなのだけど、この距離感が、二人の立場の違いをはっきり表していて、良いシーンだなぁと思った。
そして酒宴となって、あっくんの男舞は、なんだかすごかったです!
あっくんが試みたとかいう新演出は、実はよくわかっていないのですが(苦笑)、なんだかちょっと、モダーンな感じがしましたですお。喜多流では、延年之舞で、「えい!」と叫んで跳ぶのは一度だけみたい。
富樫に対していわばお礼として舞うわけだけど、富樫のほうには向っていかない。
この場では、富樫の動向が未だに彼らの命運を握っていることに変わりはなく、必死のジェスチャーである。
「オレはこんなに、こーんなに本気なの!別に死んでもいいの!でも今は駄目なの!だから止めないで!」
と言うかのようでした。舞というのは、言葉になる前の「志」だと何かの本で読んだことがある。弁慶の胸には、希望というようなものはなく、ただひたすら心意気、それだけ。
富樫も、嵐のように訪れて、風のように去っていく彼らを、一生忘れなかったに違いない。
最後に、明生弁慶が、萬斎さまにも早く行け!というように、びしっ!と扇を指す。ここの動きの鋭さも、最後まで気を抜かない感じがしてよかったです。
殺生石。
前場でもシテが舞ってましたが、こちらもかなり沈没していたクリコ・・・。すみません。
石がパカリと割れるところで、はっと目が覚め、後シテの凄まじい姿にいきなり度肝を抜かれました。
白頭・泥眼とかの綺麗め(笑)女体なのかと思ったら、ぼさぼさの黒頭に、赤い、なんの面だろう、白鉢巻でよくわからなかったけど(苦笑)すごく怖いカオで、楽器づくしの舞衣に、緋長袴。天冠の上に乗ってるのは、狐の九尾の尻尾だけ??
そんな姿で、犬に追いかけられたり、矢で射られたりの激しいアクションで、ビビったです。いや、もう、かつては宮中に居たということを匂わせつつ、それでいて、もう獣にしか観えない恐ろしさ。長袴で、キックとかしちゃうのです。
なんだか途中ですが、終わります。。。
喜多流の重厚な地謡を枕に眠るのは、すごーく気持ちよかったです。。。