新作舞台劇 六道輪廻
2009.05.02 Saturday
原作・総合監督 大谷暢順
脚本 笠井賢一
演出・脚本補綴 野村萬斎
監修 野村万作
出演
野村万作
野村萬斎
麻実れい
若村麻由美
石田幸雄
深田博治
高野和憲
月崎晴夫
時田光洋 ほか
ブクロ、サイコ〜!! (←古。)
というわけで、池袋は東京芸術劇場にて「六道輪廻」を観てきました〜!
なんていうか、このお芝居もかなりGW仕様で、『ま〜堅いことは言わずに楽しんで行ってくださいね!』モードで、結構面白かったです!しかも、かなり萬斎テイスト満載(笑)。
若村麻由美(メイユレーという名前。と、その他の人々)が、行方不明になったお父さま(万作)を探して、六道の世界をメーテルリンクの「青い鳥」よろしく、くるくると彷徨うというお話。
というか、天上・人間・餓鬼・畜生・地獄・修羅の6つの世界が、登場人物たちが行き交ううちに、段々とごちゃごちゃになってきてしまうのです・・。
万作が亡き妻を想い、この世の姿のまま、あの世この世に旅立ってしまうところから始まります。
萬斎さまは修羅界の戦士役!『阿修羅』ふうの舞台用メイクが、すごかったです!
お目々をさらに吊り上げてました!
そして麻実れいは、「天上界の長」の役!かーっこよかったです!
阿修羅VS天部ということで、萬斎さまと立ち回り(♪)したり、天人ふうというか、仏像ふう(?!)ダンスをご披露いただいたりと、ファンには感涙ものだったんじゃないでしょうか?落ち着いた語り口に、ゴージャスかつユニセックスな衣装も素敵!
というわけで、私・・・。
麻実れいさまのノーブルな魅力に、今回、かなりやられてしまいました・・・。
この世に、あんな素敵な殿方(←違?)がいらしたなんて・・・(照)。
それに若村麻由美も予想と違って、いかにも『舞台用』みたいなクドさの無い演技で、ナチュラルで素敵でした。お肌もすっごい綺麗。さすが無名塾仕込み?
石田幸雄をはじめとして、深田博治・高野和憲・月崎晴夫あたりの万作ファミリーも、天人役から地獄の獄卒役まで、何でもござれでがっつり舞台を支えていました。
しかも人間国宝になってからも、万作がこうした新作に出てくださるのはウレシイですよね。
「地獄」の場面では、万作が狂言さながらにインチキ博打で閻魔大王を騙し、ついには閻魔に成り代わってしまうのです♪
「餓鬼道」のシーンで、わらわらと登場する餓鬼たちが、やたらリアルに醜悪だったり(昔の絵巻物に出てきそう)、人形を使った演出があったりと、随所に萬斎趣味も散りばめられ(笑)。もちろん、仮面や「囃子方」による和楽器を活用した、萬斎カラーもばっちり♪
「妖魔」と天人の子供が闘うシーンでは、能楽囃子の手組?をそのまま使っていたり(田中傳次郎、他。が担当してました)、リアル土蜘蛛(笑)みたいなオバケが登場して、蜘蛛の糸を投げるシーンがあったりして、能楽ファンも思わずにっこり。
醜い餓鬼の一人が、ステキな王子様(←野村萬斎さん)に早変わりして、餓鬼道に堕ちた者の苦悩を語るシーンや、メイユレーと、い、い、一夜を過ごすシーンもあったりして、サービス満点(笑)。
麻実れいの鍛え上げられた優雅さ、若村麻由美のナチュラル演技、上海雑技団みたいな(?)アクションのできるカワイイ子役に、万作門下の狂言師たちを(それほどの)違和感なく、なかなかヨイ感じに融合させていて、萬斎さまのご手腕を感じましたですよ♪
しかし、なんていうか、童話ちっくなお話だなぁと思っていたら、原作は童話だったのでした(笑)。入場者全員に、なんと原作本までプレゼントされ、これが新興宗教の団体とかだったらコワイけど、原作者の方は本願寺の法主(?)だそうです。。
何百年か前には、世阿弥たちもこうしてスポンサーの意向に応じて、勧進劇をバシバシ作っていたのだろうな〜と、思ったことでした。
無事に人間界に戻ってきた万作たちが、「では、落日に向って祈ろう」と阿弥陀さま?に向って祈る唐突なラストシーンも、いきなりな救済があるという点で、ある意味お能的だったかも。。。
そして、なんとこのラストシーンでは、麻実れいと萬斎さまが、そのまま仏像(!?)になっていて、結構衝撃的でした(笑)。しかも二人とも日頃から鍛え上げているので、バッチリそれが決まっているのです♪
というわけで、連休の一日にふさわしい、なかなか楽しいお芝居だったのでした♪
あ、それから、今年の12月に「国盗人」が再演されるそうです〜!
チラシを貰いました!(勿論、@Septです!)