能楽鑑賞などなどの記録。  
黒川能を観てきました! 2015!
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というわけで、今年も黒川能を観に行って参りました〜!

今年はなんと!きっちり最終イベント(?)「餅切り尋常」、「布剥ぎ」まで拝見してきましたが〜・・、本当に久々にコーフンし、そして反省した2015年となりました。。。

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『そんなの、あたり前でショ〜〜ッ!!』

と言われそうですが、つくづく王祇祭って、観光客に「黒川能」を観せるためのイベントなどではなく、地元の人たち自身のお祭りなんだな〜・・と。。

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だけれども!!

またまた、長く!しつこく!じっくりとレポートして行きたいと思います!
(ちなみにカメラ買い換えてみたのですが、ちょっと失敗だったカモ。。。)

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今年も黒川能に関わるすべての皆様に、感謝申し上げます。

くりこ拝



※撮影の許可は頂いております。
※くりこの過去の黒川能日記をご覧になる場合は、「カテゴリー」ではなく「アーカイブ」のほうが、時系列に記事が並んで読みやすいと思います。
posted by kuriko | 00:41 | 黒川能 | comments(2) | trackbacks(0) |
2015黒川能シリーズ1 今年の番組
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今年は昼間に雪が降り、夜中には止んでいた穏やかな王祇祭でした。

王祇会館から当屋に移動するとき(徒歩)が、吹雪いて一番降ってたかな。。。

タクシーの運転手さんの話によると、もともと海に近い鶴岡市街は雪はそれほどでもなく、内陸の黒川のほうに来ると雪がぐっと増えるとのこと。「赤川」という川を超えると、世界が変ってくるそうな。ちなみに赤川には、「黒川橋」「王祇橋」という名の橋が掛かっています。。

当屋では舞台のセットはもちろん完了しており、役者たちが舞台の端に鎮座した王祇様に拝礼しています。膝前に扇を広げる中世ふう(?)です。

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今年は下座を拝見しました。番組は以下の通り。

下座 【当屋 岡部四郎左衛門】
   大地踏
   式三番
   高砂

狂言 仁王
   
狂言 蟹山伏
   龍田
狂言 附子
   石橋
狂言 針立雷
   寝覚

上座 【当屋 遠藤甚右衛門】
   大地踏
   式三番
   絵馬

狂言 末広
   大仏供養
狂言 棒縛
   羽衣
狂言 花折新発意
   羅生門
狂言 節分
   猩々


今年の当屋頭人様が冠(白い頭巾状のもの)、素襖を着けるお着替えをされていたので、思わず「な、生お着替えですね。。」とコーフンして撮ってしまいましすた。。ごめんなさい。。

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ちなみに頭人様は、昭和7年生まれ、今年83歳になられるようです。

手前の柱に掛かっている「帳面」は、座狩帳(出欠簿みたいな)ですね。

つづく。

 
posted by kuriko | 00:46 | 黒川能 | comments(0) | trackbacks(0) |
2015黒川能シリーズ2 はじまりのはじまり・・・ 大地踏、式三番
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舞台に地謡、囃子方の順に登場して、ついにお能が始まります・・!
後見に抱きかかえられた大地踏もやってきました・・!

まずは、当屋頭人が王祇様にご挨拶。
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そして王祇様が、舞台の上に広げられます。この役目を勤めるのは、頭人様の御子息だったり、縁戚だったりするわけですが、当然めったにないことなので、舞台の周りの役者たちがあれこれサポートしています。

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大地踏。まずは小さな子が、その小さな足で大地を鎮める・・。かなり緊張していたようでしたが、長い長い詞章も無事に言い終えて、とっても可愛く、お利口にできました・・!

ちなみに、下座の当屋の「でんじっこ」は今年5歳。うう〜ん、若い。。。
黒川能に初めて伺った年に大地踏やってた子が、もうすっかり大人(というほどでもない?)になっていたりして、ちょっと衝撃です。。

IMGP0196.JPG(大地踏)

IMGP0218.JPG(言口)

IMGP0234.JPG(太刀の段)

登場も退場も、大地踏を後見が抱きかかえて行うのは、まだ赤ちゃん・・という意味なのだ。という説をどこかで読みましたが、まだ歩いたことのない赤ちゃんの足って、なんだか不思議な存在ですよね。だから何、ということもないのですが・・・。

つづいて空気がぐっと変って、「翁」です。特に王祇祭の場合は、「翁」よりもさらに先行するものがあるというのが面白いと思う。

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「とうとうたらりら・・・」と始まる太夫様の謡は、独特の丸みとうねりを感じさせます。柔らかく芯のある、黒川能の謡です。

千歳を勤めていたのは、太夫様のご子息。気のせいか(?)一昨年に拝見した時より、だいぶ上手くなられたような。。。(←余計なお世話ですね。。。)謡にも気合を感じさせます。

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そして千歳の舞の間に、太夫様は翁の面を着ける。扇で神様の気を招くのが、黒川能の翁です。。。

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きっと全てに意味がある。だけど、その本当のところを伝承していくのは難しい。。。(たぶん)。これが生業と割り切れるでもなく、ましてや趣味でもなく(ライフワークではあるカモしれないけど)、使命感?義務感?で伝えていくのって、やっぱり大変なことだと思う。。。

いや、ほんと、毎年、毎日タイヘンですよ・・・とは、太夫さまは言わない。かな?

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そういえば、今年も下座の当屋は「伝承の館」だったわけですが、可搬式?!の換気扇が登場していたり(ベニヤ板ごと運んでくる)、見所にもヒーター(!!)が登場していたりと(←そこ?)、年ごとに革新を感じさせます。。

つづいて三番叟です。

つづく。


※このあたりのチョコチョコ動画を、fbページのほうにアップしています。。
 fbページなのでログイン不要です。
 https://www.facebook.com/kachukuri

 カメラを変えたので、動画の画質がわりと改善しました。。。「HD」でご覧ください。。

posted by kuriko | 22:51 | 黒川能 | comments(2) | trackbacks(0) |
2015黒川能シリーズ3 三番叟、高砂、暁の使い・・・まで。(永遠に終わらないモード)
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(高砂 前シテ)

翁が去ると、三番叟がやってきました。

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黒川能の三番叟(揉の段)は、王祇祭のフィナーレのとき以外は、わりとノンビリとした?印象です。千歳もそうですが、舞台(大地)にぴたりと張りついて、「飛んだり跳ねたり」にはあまり興味がなさそうです。

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三番叟も扇から面を掛けて・・・

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千歳/面箱を兼ねるアドの太夫と、無言の対話を行います。
(聴こえない声で、本当は何かを話しているらしい。)

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黒い翁面を掛ける「鈴の段」のほうが、三番叟はむしろイキイキとするかのようです。王祇祭では「父尉」も登場するので、本来の意味での『式三番』となります。

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大地に種まく所作の、このリアリズム・・・。

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そして、三番叟は面箱と一緒に去ります。囃子方も深々と一礼して舞台を退くのですが、足が痺れて立てないヒトも・・・(笑)。(「式三番」では、大鼓しか床几に腰かけません。)見所から「立てるかな〜?」と声が飛んだりして、これもノンビリしていい感じです☆

つづいて、「高砂」。まずは囃子方の登場(地謡は「式三番」から引き続き謡います)。

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そして、おなじみのチビッ子ワキたち・・・。元気いっぱいの謡で可愛い。

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・・・のですが、なんとなく気になったのは、次第や道行の謡にあの独特な、『なまり』が感じられなかったこと・・・。

結果として、チビッコたちの謡から、なまりが抜けた感じだったのは「高砂」だけだったので、偶然か?それとも現代っ子(←なんだか、この言葉を最近あまり見聞きしませんね)だからか?あるいは、学区の小学校で、お能が教えられたりしていることと何か関係があるのか?と、見所で悶々としていたクリコだったのでした・・・。(聞けばよかった。)

カンケーないけど京都の観世流の謡も、東京から家元派が進出して、大正〜昭和初期のあたりで大きく変ったと言われているそうな。。。(どう変わったのかは知らないケド。)

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(↑舞台の端を、橋掛かりに見立てて謡っています。)

そんなことはさておき、前シテ、ツレの登場です。日焼けした農夫か、あるいは漁師を思わせるような前シテです。。

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そして、王祇祭で「高砂」がかかるのは、当屋頭人がご夫妻でご健在の証。そんなことを隣りの人と話していたら、隣の人はいたく感じ入ったように「なるほど、翁と媼でね・・・。東京ではもう、あまり高砂はかかりませんね」と話されていました。言われてみると脇能って、あまり出なくなっているのかな??いやむしろ、脇能でも「高砂」はまだよく出てるほうなのカモ。。(←黒川能の見所は、おしゃべり自由です。)

やがて前場の真っ最中に、暁の使いが舞台に登場です・・!おお、気合いの入った丸刈りです・・!
(この人は太鼓方をなさっていて、基本的にボーズの人だった。)

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「尾張様、御使いに行ってまいります」と、まず頭人様にご挨拶。そして、長老格である地謡たちにも挨拶しています。
(ちなみに黒川能では、年長者のほうが地謡前列に座り、若手のほうが後列に座るみたいです。地頭は前列の左端に座ります。←古態。)(←「尾張様」は当屋頭人に贈られる国守の称号。)

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暁の使いは『提灯持ち』とともに、上座の当屋へとこうして出かけていくのでした。。

クリコの黒川能日記も、永遠に終わらないペースになってきたところで、つづく。


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posted by kuriko | 12:27 | 黒川能 | comments(0) | trackbacks(0) |
2015黒川能シリーズ4 高砂から蟹山伏まで。(使者が帰ってくる)
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(↑ちょこっとだけ舞を披露する「高砂」のアイ。)

いよいよ後シテの登場です。
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「高砂」の神舞(とは呼ばないのかな?)も、ノンビリゆったりとした雰囲気で、緩やかな潮風にほわほわと漂うように住吉の神が舞います。

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お能が始まったのは、18時頃だったのですが、高砂が終わったのは21時・・・。
そしてこれから、まだまだ続くのです・・・。

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というわけで、「中入り」といって、頭人様も役者たちも舞台の上で食事休憩。見所もお弁当を広げたりして、リラックスモードです。御神酒やお豆腐の振る舞い(ありがとうございます)。そしてなんと、先ほど大地踏をしていた子が、ゴミ袋を持ってゴミ集め係に。。。可愛い〜!なんてお利口なんでしょう!

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舞台の再開は、22時もとっくに過ぎた頃・・・。さすが徹夜前提だと、気構えが違います(多分)。

狂言「仁王」で、のほほん。としてホントに楽しい。小さなちびっこ役者も登場していたのですが、本人も笑っちゃってるところが微笑ましくて、見所からも笑い声が。このホンワリしたところが善いのです。

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つづいて「箙」ではなんと、3Rが三人そのままワキツレで登場です!装束ブカブカでカワイイ。。。

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(↑直面の前シテ。)

そしてR2はほとんど沈没。。。一度睡眠をとってから来たとかで、でも結構起きている三人。。確かに、1時間何もしないで座ってろというのは、大人でもツライかも。。。(R2はこのあと角帽子がズレズレになっていた・・。)

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前場の真っ最中に、上座でしこたま飲まされたハズの暁の使いが帰ってきます。23時半頃だったでしょうか。さすがにタイミングはちょっと見てましたが、フツウに「御使いに行って参りました」と、すまし顔で御挨拶してました。毎年、暁の使者が下座⇔上座とやってくるのを観てるので、なんだか不思議な気分になる・・・。

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後シテ。彩色の剥落した目元が、何故かアイメイクのように華やかな印象を与える不思議な面です。黒川能では、前後のシテを違う役者が演じるのが普通なのですが、今ドキ青年が源氏の若武者となって現れる、なかなか面白い効果がありました。

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(↑黒川能独特な装束の着け方。)

つづいて狂言「蟹山伏」だったのですが、これがもうシュール過ぎて可笑しい。。。

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この衝撃は、是非動画のほうをご覧ください。。。(「続きはWEBで」みたいな書き方でスミマセン。。)

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(↑黒川能の蟹の精は、狩衣を着ています。。)

実はこの時すでに午前12時ぐらいになっていて、さすがに観客もかなり減ってきました・・。

つづく。

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 カメラを変えたので、動画の画質がわりと改善しました。。。「HD」でご覧ください。。

posted by kuriko | 23:26 | 黒川能 | comments(0) | trackbacks(0) |
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