半能
高砂 八段之舞
シテ 観世喜正
ワキ 森常好
ワキツレ 舘田善博
森常太郎
大鼓 亀井広忠
小鼓 田邊恭資
笛 一噌隆之
太鼓 林雄一郎
三番叟FORM
野村萬斎
総合演出 野村萬斎
映像演出 真鍋大度
音響演出 evala
照明演出 藤本隆行
※2017年1月3日(火)12:00〜の部 東京国際フォーラムにて。
※画像と本文は関係ありません。
あけおめ、ことよろです!(←既に古い。。)
というわけで、萬斎さまのFORM公演に行ってきましたぁ〜!
会場は東京国際フォーラムではあったのですが、ホールというよりは大き目のスタジオみたいな雰囲気のホールBでの公演。
仮説の客席と舞台が設けられていて、舞台後方の両脇に橋掛かりが着けられていました。四方の柱は、ほんの目印程度の小さなもの。その両側の橋掛りから、裃姿の地謡、囃子方が登場して、地謡は囃子方の後方に座っていました。萬斎さまがスキそうな(?)感じ。
萬斎さまの説明ナレーションが事前に流されていたのですが、ココだけが江戸城謡初め?ふうでしょうか(笑)。舞台の面々は、照明がキツくてみんな眩しそう。
「高砂」は半能で、しかも三番叟の前にやるという破格のものだったのだけど、せめて礼ワキにでもするのかな、と思っていたら、それもなくてホントにただの半能でした。
舞台の背景はスクリーンになっていて、CGの松羽目は松の枝ぶりも木目の肌理もなかなか精巧で綺麗。ていうか、今やこうしてなんでもデジタルにコピーできる時代なんだな・・と。八段之舞の緩急の切り替えに合わせて、松羽目の色合いが変わるところなど、なかなか面白かったです、天井が低かったせいか、囃子の音もわりとよく響いていたような。
で、前座の(笑)「高砂」が終わると、いよいよ萬斎さまと真鍋大度がコラボ(?)した三番叟です。なんと、囃子方の登場はなく、舞台には萬斎さま一人だけ、暗闇の中を静かに登場します。
囃子は録音で、大度のCGとリズム感の表現的に連動しているところもあったので、仕方ないとも思ったけど(おかげで?チケット代も随分と安かった)、それほど効果的だった印象もなかったので(笑)、次回はやはり生音がいいカモ。
生身の萬斎さまと、背景のCGの世界の共演は、これはこれで面白かった・・かな?と思う。CGの中の、三番叟の存在が、DNAの螺旋のように無限の連なりであり、ビッグバン的な瞬間の爆発である・・・という解釈(?)も分かりやすくて良かった。・・・のだけど、集合体恐怖症(トライポフォビア)の人は絶対に観ないほうがいいです(笑)。特に自覚症状のない私でも、ちょっとゾワっときた(笑)。
ただ、CGの世界と萬斎さまの生身の三番叟と、多少スキャニングはされていたのだろうけど(?)、これといった化学反応も感じさせなかったのも確か。CGの中の三番叟と、あえて少し動きをずらしていたのは、これは萬斎さまの解釈かな?
率直なところ、ワンアイディア勝負だったというか、『日本伝統美を最先端テクノロジーで可視化する』という謳い文句の割には(http://j-cf.jp/form/)、大度の側に、圧倒的に古典に対する知識と理解が不足していたのではあるまいか。
(←別にヒトのことは言えませんが。。)
まぁそこが異種コラボの面白さでもあるし、2020年までにはあと3年もあるし、さらなる深化があるといいな。。というのが率直な感想です。
・・・。
「シン・ゴジラ」も評判になっていたので一応観たけど、昭和の中高年おじさんの****みたいな、庵野アニメ版プロジェクトXみたいな気持ちの悪い映画だったし(あくまで個人の感想です)、萬斎さまにはこれ以上、『ニッポン、ゴイスー』的な、気色悪い方向に行ってほしくないな〜と、思ったことでした。
昨年は、実は私個人的には本当に幸運だったというか、素晴らしく良い年だったのだけど、さて、今年はどうなるかな・・という幕開け。。